赤や緑に輝く華やかなクリスマスの飾りが、買い物客を出迎える。
吹き抜けの各フロアに高級ブランドが集まる東京・銀座の商業施設「GINZA SIX」。4階の専門店「ジャパンデニム」を訪ねると、高級デニムを使った1本が約2万~5万円のジーンズが並んでいた。
見渡すと、広島と岡山の大きな地図が壁に描かれ、「デニム関連事業者が集結するデニムの聖地」とある。実はこの店、広島県東部や岡山県西部の業者が参画する地域発ブランドなのだ。
昨年秋からインバウンド(訪日客)が本格再開し、12月は売り上げの半分近くを免税利用が占めるなど、外国人客に人気という。
宣伝文句の通り、この地には染色や織布、縫製などデニム製品の工程を担う業者が集まる。業界団体の日本綿スフ織物工業連合会(東京)によると、国内生産のデニム生地のほぼすべてがここで織られている。
まさに「デニム王国」と呼ぶにふさわしい土地だ。ただ、現地の広島県福山市に駐在する記者として残念なことに、王国の存在があまり知られていない。いったい、なぜなのか。
「デニムの聖地」と呼ばれる広島県東部、岡山県西部では、伝統的な「ヴィンテージ」の風合いを残す高級デニムが織られています。後半では、その生産を支える現場の工場を訪ねます。
この地域は下請けが多く、リ…
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