シリアへ接近、動いたエルドアン氏 仲介はロシア 中東で交錯の思惑
イスタンブール=高野裕介
内戦が続く中東のシリアをめぐり、隣国のトルコが、敵対してきたシリア・アサド政権との関係修復に動いている。膠着(こうちゃく)状態にある内戦の構図が塗り替えられる可能性もあるが、トルコは反体制派を支援してきただけに、アサド政権に家を追われた避難民や反体制派からは反発も起きている。
「進展によっては、指導者同士が会うことになるだろう」。昨年から両国の関係改善にたびたび言及してきたトルコのエルドアン大統領は今月5日、アサド大統領との直接会談についてこう述べた。
事態が動いたのは昨年12月28日、内戦開始後初めてとみられる両国の国防相会談だった。会談はアサド政権の後ろ盾となるロシアの仲介によりモスクワで行われ、ロシアのショイグ国防相も同席した。
会談では、シリア情勢、難民問題、「テロとの戦い」などを議論し、両国の情報機関トップも同席した。トルコ国防省は、「建設的な雰囲気だった」と評価し、今後の協議継続にも合意したとしている。
シリアでは2011年3月…