EVで出遅れたスズキ、社長が語る「使いやすい軽」に見合うスペック

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大平要
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 【静岡】「軽らしからぬ加速感」は本当に求められているのか――。スズキの鈴木俊宏社長が朝日新聞などのインタビューで、2025年までに発売を目指す軽自動車の電気自動車(EV)についての考えを語った。鈴木社長が考える、軽EVでの「スズキらしさ」とは。

 《昨年6月、日産自動車が「サクラ」、三菱自動車が「ekクロスEV」を発売。日本カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた》

 軽EVを先行して出されたということには、敬意を払う。うちは出遅れたから、その分しっかり勉強させてもらいたいと思う。

 ただ、『軽らしくない走り』だと評価されているが、軽のお客さんって、そういうところを求めているのかな。もう一度、スズキの車づくりとして考えたい。売れ方は、東京や神奈川が中心で、まだ補助金頼みだ。良い点ばかりでなく、長く使ったユーザーの意見で見えてくる不具合も勉強したい。

 軽自動車は、ミニマムサイズの移動手段だ。(利用者には)年配の方も多く、「運転のしやすさ」も重視されている。発進時のもたつきを感じている方には、それを補うための加速感は否定しないが、過度の加速感は必要ない。乗り換えたときに「えっ?」とならないよう、違和感なく使っていただけるようにしたい。

 《乗用車に先立ち、トヨタ自動車やダイハツなどと共同開発している軽商用バンEVが、23年度中に発売予定だ》

 商用バンの使われ方についてのデータを分析しながら、スペック(規格)について話し合いを続けている。大都会だと1日の走行距離は50キロぐらいということだ。航続距離を伸ばすためにバッテリー(電池)だらけにするのは、実際の使用条件にも合わない。どれだけ安全率をみるかというのも考えなければならないが、ある程度、ここは捨ててもいいよねと割り切って考えると、使いやすいEVができるのではないか。

 価格は、原材料費の高騰、量産による材料の取り合いになる値上がりなどもあるので、100万円台は難しいかなとも思う。ひとつのチャレンジ目標だが、どこまでやれるか。

各社から「手伝ってよ」ということならば…

 《昨年10月、約140億円…

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