選挙への影響力、ツイッターからユーチューブへ アナリスト指摘
選挙で影響力を持つSNSといえばツイッターと言われてきた。だが昨年の参院選ではユーチューブの影響力が強まっていたと、SNSアナリストの中村佳美さんは独自の調査結果をもとに指摘する。ユーチューバーとして知られるガーシー氏(NHK党)が当選を果たしたり、参政党が国政選挙で初議席を得たりした背景を知るカギも、そこにあるという。中村さんの話を聞いた。
1992年生まれ。メディア研究者。慶応大学SFC研究所上席所員。「ネットコミュニケーション研究所」代表。
昨年7月の参院選では、ユーチューバーとして知られるガーシー氏(NHK党)が初当選したことや、国政選挙に初挑戦した参政党が比例区で1議席を獲得したことが注目されました。これらの新しい政治現象の背景を知るためのカギはSNS、とりわけユーチューブだと私は見ます。
日本の政党や国会議員はSNSをどう利用しているのでしょう。私の研究所は毎年、政治家のSNSメディア利用度調査を実施しています。
2019年の参院選と21年の衆院選では、選挙で影響力を持つSNSといえばツイッターでした。しかし昨年の参院選での利用度を調査した結果から見えてきたのは、ユーチューブが選挙にもたらした影響力の大きさです。
まず、ツイッターやユーチューブ、フェイスブックなどを合わせたSNS全体で各政党の公式アカウントが参院選当時どれだけの影響力を持っていたかを、フォロワー数などから見ましょう。1位は自民党、2位は公明党と与党が並んでいましたが、3位はNHK党、4位はれいわ新選組、5位は参政党でした。NHK党も参政党もSNSの影響力では野党第1党の立憲民主党を上回っていたのです。
存在感を高めたユーチューブ
より特徴的だったのは、ユー…
- 【視点】
ウクライナ危機勃発直後に林芳正外相からG7外相会合の様子を聞いた際、30から40代が多数を占める彼ら彼女らは挨拶代わりに互いのフォローワー数を聞き合うのだと知って、そういう時代だと思いました。ただ、対ロシアの金融封じ込め策をはじめネットが武
- 【解説】
ちょっと大げさな言い方をすると、新たな「ビジネスモデル」の政党が出現したように感じます。 自民党、立憲民主党、国民民主党などの伝統的な政党は、政党の理念や主張に共感する党員や支援者を増やすことで、選挙での得票や国会議員を増やし、その結