第27回「プーチンの戦争」の責めを負う夫婦 答えの見つからない問いは今も

有料記事ウクライナ情勢

アテネ=宋光祐
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連載「それでも、あなたを」 ロシア・ウクライナ編 取材を終えて

【ロシア・ウクライナ編①】

互いの恋心に気付いたロシア人男性とウクライナ人女性。結婚式の半年後、ロシアによる侵攻が始まりました。2人の決意は…

 ロシアが昨年2月24日に始めたウクライナへの侵攻は、欧米の指導者やメディアの間でしばしば「プーチンの戦争」と呼ばれます。

 偉大なロシアを取り戻すという自尊心と、怒りにゆがんだ歴史認識にもとづいて、独裁的な立場にあるプーチン大統領が遂行を決定した戦争だという意味です。

 それならば誰よりも責められるべきはプーチン氏であるはずなのに、実際にはその責めをアルチョムさん、そして妻であるユリアさんのような普通の人が引き受けています。

 私は2人の話を聞きながら、現実に立ち向かう姿に勇気をもらうと同時に、個人の意思とは関係なく国の責任を背負わされ、理不尽な扱いを受けていることに怒りを感じました。

「プーチンの戦争だ」と言わないで

 ただ、複雑な現実を前に一つの明快な答えを出すのは、容易ではありません。

 ロシアの独立系世論調査機関…

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