ユニクロの大幅賃上げ、狙いは人材獲得 海外事業拡大へ国際水準に

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益田暢子 近藤郷平 杉山歩 田中奏子 三浦惇平
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 衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングが年収を最大で4割引き上げる大幅な賃上げを決めた。思い切った賃上げで人材獲得競争を勝ち抜きたい狙いがある。国内大手でも意欲的な決断が相次ぐが、これから始まる春闘で、物価高を補えるほどの賃上げが広がるかは不透明だ。

 グローバル展開を精力的に進めるファーストリテイリングにとって、さらなる成長に向けて優秀な人材を獲得する国際競争力も必要になってきている。

 アパレル業界では、売り上げ規模でZARAを営むインディテックスとH&Mに続く世界3位。柳井正・会長兼社長は、昨年10月の会見で「欧米で事業を継続的に拡大できる基盤ができ、本当の意味でのグローバルブランドになれる条件が整った」と語っていた。

 もともと、ファーストリテイリングの国内従業員の平均年収は959万円で水準は高い。東京商工リサーチの調査では、21年度の上場企業3213社の平均年間給与は605万円で、900万円以上は110社。それでも、海外のグローバル企業などと比べると見劣りしていたこともあり、人材獲得競争に負けない給与水準が必要だと判断した。

 同社は今後、東京本部に加え、米・ニューヨークの本部機能も強化する方針。正社員の賃金制度を国内外で統一し、国際水準に近づけることで、国内人材を海外へ、海外人材を国内へと柔軟な異動も可能になるとみられる。

 海外事業は今後の成長の柱に…

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