この映画ええで!手売りしたチケット3千枚、宣伝おばちゃんの原点

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聞き手・宮崎亮 写真・林敏行
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 「教育と愛国」「主戦場」「ゆきゆきて、神軍」。話題のドキュメンタリー映画関西で上映されると、その陰には大抵この人がいる。情熱的に作品を売り込み、人と人との縁をつなぐ「カンコさん」こと松井寛子(ひろこ)さん(76)。仕事やこれまでの人生をじっくり語ってもらった。

 ――宣伝の仕事はどんなことを。

 ポスターやチラシ、パンフレットを配り、マスコミに監督や俳優さんへの取材をお願いし、日程を組んで。試写会をし、イベントもします。去年の「教育と愛国」なんかはそれ以上の仕事もやったんですが。

松井寛子さんの略歴

まつい・ひろこ 大阪市出身。フリーランスとして35年間で約600本の映画を宣伝してきた。直近の担当作は、心身に障害のある従業員らが個々の特性を生かして働く職場を追った「チョコレートな人々」(製作・東海テレビ、鈴木祐司監督)。

 ――毎日放送(MBS)のテレビドキュメンタリーをもとにした作品で、政治に変えられていく教育現場を描いています。

「教育と愛国」のオファーに井浦新さんは

 澤田隆三プロデューサーと斉加尚代監督が「(俳優の)井浦新(あらた)さんがナレーションやってくれたら最高やのに」って言うたはって。私は「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」の若松孝二監督を通じておつきあいがあったので、マネジャーさんとご本人に直接お願いしました。

 でも2週間、連絡が来ない。私は若松監督の言葉を思い出してん。3・11の後に私が原発反対の署名を集めてたとき、「俺は署名するけど、役者には政治的なことを求めるなよ」って言うたはったなと。

 それで新さんに「無理せんと…

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