森友学園の籠池夫妻、実刑確定で収監へ 補助金不正で上告棄却
根岸拓朗
小学校建設をめぐり国から補助金をだまし取ったなどとして、詐欺罪などに問われた大阪市の学校法人「森友学園」理事長の籠池泰典被告(69)と妻の諄子被告(66)の上告審で、最高裁第一小法廷(深山卓也裁判長)は、10日付の決定で両被告の上告を棄却した。上告理由にあたる憲法違反などはないとだけ判断した。
泰典被告を懲役5年、諄子被告を懲役2年6カ月の実刑とした二審・大阪高裁判決が確定し、保釈されている2人は収監される。
大阪高裁判決によると、2人は2016年、大阪府豊中市の国有地に小学校を建設する際、工事代金を水増しした契約書などを提出して国の補助金約5600万円を詐取した。
11~16年度には、運営する幼稚園の専任教員の数を実際よりも多く申告したり、障害のある園児に特別な支援をしたと偽ったりして、府と大阪市から補助金約1億2千万円をだまし取った。
森友学園の小学校建設をめぐっては、国有地売却の際の大幅な値引きや財務省による公文書改ざんなど、政治や行政への信頼を損なう問題が相次いだ。被告側は「公文書改ざんなどを隠すための国策捜査だった」とも主張したが、高裁判決は「違法な捜査がされた形跡はない」と退けた。(根岸拓朗)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。