第12回ロシアの侵攻前日、マイクロソフトが察知した異変 サイバー戦最前線

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編集委員・五十嵐大介=サンフランシスコ、同・須藤龍也
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 ロシア軍がウクライナに侵攻する前日の2022年2月23日。9千キロほど離れた米北西部のシアトル近郊で、ウクライナへのサイバー攻撃が察知された。

 つかんだのは、マイクロソフト(MS)本社のサイバー攻撃を監視する部署「MS脅威インテリジェンスセンター」。ウクライナにある19の政府機関や、重要なインフラへの攻撃だった。

 センターはすぐに「盾」をつくった。コンピューターの動作に不正を起こさせる「マルウェア」を特定するためのソフトをつくり、ウクライナに送る。3時間足らずのできごとだった。

 「今回の戦争の最初の砲撃は、サイバー空間で放たれた。それを最初に目撃したのが我々だ」。MSのブラッド・スミス社長は5月、ロンドンでのイベントで胸を張り、過去の戦争の白黒写真を背に語った。

 「(第1次世界大戦が起きた)1914年に人類の紛争は空へ、今年はサイバー空間へ移った」

 米IT大手は、ロシアの侵攻前からウクライナ政府と連携し、サイバー戦の最前線の防御を担った。

 私たちの暮らしに大きな影響力を持つようになったビッグテックはいま、「国家の戦争」への関与をも深めています。ロシアの侵攻後、即座にウクライナ政府側とデータの国外移転策を話し合ったというアマゾン幹部は、その方法を明かしました。戦時のIT企業の振る舞いと、世界が抱える課題を追っていきます。

紛争への関与「イデオロギーよりもビジネス」との指摘も

 グーグルはウクライナへのサ…

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