ブラジルでボルソナーロ前大統領の支持者が数千人規模で暴徒化した事件をめぐり、逮捕命令が出ているトヘス前法相の自宅から、国家の非常事態時に大統領が宣言する「国防事態」の草案が見つかったことがわかった。複数の地元メディアが伝えた。ボルソナーロ氏が敗北した昨年の大統領選後に作られたと見られ、「国防事態を使って選挙結果を覆そうと試みた証拠だ」と指摘されている。
トヘス氏はボルソナーロ政権下の法相で、事件時は首都ブラジリアの安全部門トップを務めていた。だがボルソナーロ氏の支持者が暴徒化した事件を受けて8日に職を解任され、最高裁が10日に逮捕命令を出した。トヘス氏は休暇中で米フロリダ州に滞在しており、帰国後に拘束されるとみられる。草案は自宅のクローゼットから見つかったという。
「国防事態」は憲法で規定された制度で、社会の安定が脅かされている状態、もしくは自然災害で乱れた公共の秩序を回復させるため、大統領が布告することができる。国会の過半数の賛成で効力を発し、集会や通信の秘密が制限される。
ブラジルの法学者は地元メデ…