第5回宝塚人生のスタートとゴールに二つの震災 真飛聖さんがつなぐ精神

有料記事阪神・淡路大震災宝塚歌劇団

河合真美江
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 ソロで歌っているときだった。体が大きく揺さぶられた。

 2011年3月11日午後2時46分。

 東京のホテルでの、退団前のランチショーの最中。豪華なシャンデリアの下、何百人ものファンが円卓についていた。

 みなさんを守らないと――。まず、そう思った。

 曲を止めてもらい、マイクで言った。

 「テーブルの下にもぐってください」

 東京は震度5強。シャンデリアは落ちなかった。

 その瞬間は、そこまで大変なことになるとは思わなかった。あの時、阪神大震災の時もそうだったなと、ふと思った。

 力強く、華やかな演技で人気を集めた元花組トップスター、真飛聖(まとぶ・せい)さん。

 宝塚人生のスタートとゴールが、くしくも二つの大震災と重なった、運命のスターである。

舞台人としての土台 導いてくれた先輩たち

 1995年1月17日は、宝…

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