「ROCA」「緑の歌」…中条教授が2022年のマンガを振り返る
中条省平のマンガ時評
あけましておめでとうございます。
1月は、本時評恒例の前年のマンガ回顧です。典拠は、季刊文化誌「フリースタイル」54号の特集「THE BEST MANGA 2023 このマンガを読め!」。マンガ読みのうるさ型49人の投票によるベスト5をご紹介します。
①いしいひさいち『ROCA』
②高妍(ガオイェン)『緑の歌』
③岡田索雲『ようきなやつら』
④やまじえびね『女の子がいる場所は』
⑤松本大洋『東京ヒゴロ』
①は、朝日新聞朝刊の長期連載「ののちゃん」からの派生作品。脇役だった少女・吉川ロカのファド歌手をめざす人生に焦点を絞り、4コママンガの絶妙な笑いをちりばめつつ、硬派なビルドゥングスロマン(成長小説)に仕上げました。ロカと相棒・美乃の友情の物語としても感動的で、ラストの爆裂ぶりには仰天。なお、自費出版です。
②の作者は、台湾の26歳の…