パックンが我が子をインターに通わせるわけ 「正直、偽善者と思う」
お笑い芸人のパックンこと、米国人のパトリック・ハーランさん(52)の2人の子どもは、首都圏のインターナショナルスクールで学んでいます。自身は米コロラド州の貧しい家庭で育ち、州立高校から名門の米ハーバード大に進学し、「お金がなくてもなんとかしようとする、逆境を生きる力がついた」と胸を張ります。一方、インターの学費は1人年数百万円。なぜ、子どもをインターに通わせようと考えたのでしょうか。ハーランさんに話を聞きました。
夜中に母が流す涙
――経済的に厳しい家庭で育ったそうですね。
8歳のときに両親が離婚し、母と2人暮らしでした。母は失業と就職の繰り返しで、私が高校生のときに学校の先生になるまで安定した収入がありませんでした。
穴が開いた靴を使い続け、上着も買い替えられませんでした。母も同じスカートをずっと着続け、自分にお金をかけない。夜中に母が家計簿をみて涙を流す姿を何度も見ました。自分も節約しよう、となりますよね。
10歳の誕生日に始めた新聞配達は、大学入学までの8年間続けました。配達する家は最初は徒歩で40軒ぐらい。バイト代は月60ドルだったかな。その後、車で440軒配るようになり、バイト代は月800ドル近くになりました。
――「貧困」はつらかったですか?
コンプレックスはありましたよ。お金がないので、アメリカンフットボールのチームに入れない。みんなとコンサートやスキー旅行に行けない。
高校2年のときに学校で大きなダンスパーティーがありました。男子はタキシードを借りて女子を誘い、リムジンを借りる金持ちもいました。一夜で数百ドルもかけるんです。
僕は借りたジャケット姿で1人で行きました。1人でダンスパーティーに行く生徒なんてめったにいません。でも「お金がないから」と物おじするわけにはいかない。逆境だからこそ強くなるんです。
――ハーバード大に進みまし…
- 【視点】
私の友人は米国人と結婚し都内に住んでいます。子ども3人のうち第三子にあたる長男だけインターに通わせました。理由はパックンとほぼ同じ。自分で課題を見つけ、深い思考を促すIBカリキュラムと、米国のトップ大学で勉強できる英語力や議論する力を身につ
- 【視点】
これを感じておられるだけ、パックン氏は良心的な方なのですよね…という印象です(よい意味でリベラルなアメリカ人らしい)。多分、ここ20年くらいの新自由主義的なシステムに適応する形で1代で成り上がった日本人の、同じような親世代であれば、こうした