過去問解いても成績は上がらない? 2次試験まで、要注意の落とし穴

小川崇 山下知子
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 大学入学共通テストの全日程が終了しました。共テから国公立大2次試験までは、どう過ごすのがよいのでしょうか。東京、京都、大阪で勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を運営する教育アドバイザーの清水章弘さん(35)と、数学教育研究所(東京)の清史弘・代表に話を聞きました。

清水さん

 過去問は基本3~10年解く必要があります。大学によっては「25年解いた方が良い」という意見もありますが、3~10年が一般的でしょう。

 過去問をいつごろ解くかは人によって違いますが、注意点として言いたいのは、「過去問を解いたからといって成績は上がらない」ということです。解いた年数分で合否が決まるわけではありません。

 それでも過去問に取り組むのは、問題形式と自分自身の弱点がわかるからです。ですから、弱点を克服しないと点数は上がりません。解いて満足しないことが大事です。

 また、この時期に問題集で新しいものに手をつけるのであれば、自分だけで判断せずに誰かに相談したほうがよいでしょう。

清さん

 2次試験まで1カ月半近くあります。夏休み1回分と同じ時間です。できることはたくさんあります。

 合格判定でAをもらっている受験生はこの時期、過去問対策を含めてやり尽くしてしまっていて、復習ばかりすることになりがちでしょう。実は、これが落とし穴になるのです。

 数学の問題を解く上では、問題をみて「○○を問うている問題だ」と見極めること、いわゆる初動思考が要です。復習ばかりだと、この勘が鈍ります。A判定の受験生が不合格になるパターンは、この見極め力が落ちることに起因する場合があります。まだ見たことのない、新しい問題を探して解いてみてください。

 逆にD判定の受験生の場合は、とにかく書いて書いて、答案を作る練習をしてください。誰かにみてもらうのが良いでしょう。

 「セット」で取り組むことも大事です。例えば、東大理系の数学は全部で6題あります。1題1題、答え合わせをして進めていくことも必要ですが、試験日が近づいてきたら、全6題まとめて、時間をはかって取り組んでください。6題の中で、どのようにバランスをとって解くかが大切です。(小川崇、山下知子)

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