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第7回女性のアルコール依存症、30代ピーク 摂食障害や精神疾患の重複も

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聞き手・鈴木彩子
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 女性がアルコール依存症となる年齢のピークは男性より若く、心の病気を伴うケースが多い。お酒の使い方も、男性とは少し違うという。女性のアルコール依存症に詳しい白峰クリニック(さいたま市)の岩原千絵医師に、女性とアルコールをめぐる問題について聞いた。

――女性のアルコール依存症は増えていますか。

 私が勤めていた国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)のデータを見ると、新規のアルコール依存症患者数に占める女性の割合は、2019年までの30年間で1.7倍に増えています。

――なぜ増えているのでしょう。

 まず、飲酒する女性が増えています。女性で飲酒をする人は、戦後まもなくは1割ぐらいでしたが、00年代に入ると6割を超えています。

 週3日以上、1回1合(約180ミリリットル)以上飲む人の割合は、男性はここ20年で減ってきていますが、女性は横ばい。男女比を見ると、女性でお酒を飲む人の割合も増えてきています。

 背景には、女性がお酒を飲むことへの偏見が改善されたり、社会進出が進んで飲み会の機会が増えたり、ということがあると思います。飲酒する人が増えれば、依存症も増えます。

ストレスの自己治療として酒を…

――女性が依存症になるきっかけは、男性とは違うのでしょうか。

 男性は、社会人になって、いわゆる「飲みニケーション」で飲むようになって、徐々に酒量が増えていくパターンが多いです。

 一方、女性はきっかけがストレスということが多く、そこへの自己治療としてお酒を使うようになるケースが多い。

 気付けに「ぐいっ」とや、イライラする気持ちを抑えるため、眠るためなどにお酒を使うのです。そのせいか、男性よりも女性の方が、酒量が一気に増えてしまう、という印象があります。

――ストレスの背景にはどのようなことがありますか。

 少し古い1990年ごろの調査ですが、女性の飲酒が増えるきっかけの1位は「家庭の不和」でした。子育てや介護、夫からの暴力(DV)などがきっかけになるケースは今も変わらず多いのではないかと思います。

――女性のアルコール依存症の特徴は。

 一つは、年齢が若いということ。もう一つは、精神面での合併症が多いことが挙げられます。

 アルコール依存症で入院する患者は、男性は50代がピークですが、女性は30代が最も多い。

 女性は男性よりもアルコールの分解速度が遅く、もともと体質的にアルコールに弱いため、アルコールの健康影響が出やすいのです。男性と同じ時期にお酒を飲み始めても、女性の方が10歳以上早く肝硬変になる、という報告もあります。

 アルコール依存症と合併する病気で多いのは、薬物の乱用や依存(20.5%)、境界性パーソナリティー障害(12.4%)、重症不安エピソード(31.4%)などで、いずれも男性の2~6倍多いです。

 また、摂食障害の重複も多く、20代に限ってみると、女性のアルコール依存症患者の7割が、摂食障害を合併しているという報告もあります。

 このため、治療に少し工夫が必要になります。

断酒した「その後」の苦しさ

――女性の治療は、難しいのでしょうか。

 アルコール依存症の治療の基…

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