【詳報】「生き延びた以上がんばる」 阪神・淡路大震災から28年

阪神・淡路大震災

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 阪神・淡路大震災の発生から28年を迎えました。犠牲者を悼み、被災地の復興を願う関係者の言葉などをタイムラインでお届けします。

■■■1月17日■■■

12:30

神戸大で慰霊献花式 父親「一緒に遊び、酒飲みたかった」

 学生39人、教職員2人が犠牲になった神戸大では慰霊献花式が開かれ、遺族や大学関係者らが慰霊碑に花を手向けて静かに祈りを捧げた。

 一人息子の坂本竜一さん(当時22)を亡くした父・秀夫さん(77)は「親子やけど、友達のような関係。いつまでも一緒に遊んだり酒を飲んだりしたかった」と話した。

12:00

東遊園地に遺族ら続々と集まる 「風化感じる」の声も

 神戸市中央区の東遊園地には続々と遺族らが訪れ、手を合わせた。

 神戸市東灘区に住んでいた母の樋口秀子さん(当時72)を亡くした安部京子さん(73)=同区=は「とても頑張り屋の母でした。私たちにとって1月17日は忘れようとしても忘れられない日ですが、時の流れで風化をしていくのは仕方がない感じもします」。

 また、神戸市長田区に住んでいた義理の弟の佐藤智行さん(当時47)を亡くした大阪府箕面市の佐藤朝子さん(80)は「すごく穏やかで優しい性格で、銘板に『今年も来たよ』と声をかけました。東遊園地に来る遺族も年ごとに減って高齢化しており、風化を感じます」と話していた。

11:00

大阪府警陸上自衛隊 巨大地震を想定した訓練

 大阪府警や陸上自衛隊などは17日午前11時、大阪府松原市で工事中の阪神高速道路などを使って、巨大地震を想定した訓練を始めた。人命救助で被災地へ向かう緊急車両を安全に通行させるため、日本自動車連盟(JAF)などとの連携を確認するのが狙い。路面の補修や放置車両の移動などを実践する。

 訓練は、一般道の交差点で信号機が故障したという想定から始まり、松原署員らが手信号で交通整理にあたった。

10:40

松野官房長官「政府として教訓を着実に継承」

 松野博一官房長官は17日午前の記者会見で「震災により亡くなられた方々に対し、改めて心から哀悼の意を表する」と述べた。その上で、「多くの方々が復興に向け、努力を積み重ねてこられたものと認識をしている。全ての皆様に対し、改めて心より敬意を表する」と語った。

 松野氏は、震災を契機に国の防災施策の充実が図られたと説明し、「政府として震災の経験と教訓を風化させないよう着実に継承し、防災、減災、国土強靱(きょうじん)化についても決意を新たにしっかりと取り組んでいく」と強調した。南海トラフ地震など今後起こりうる災害について、「被害の最小化を目指し、引き続き、ソフトハード両面から総合的に防災対策を推進する」と語った。

9:00

芦屋市立精道小学校 鐘を鳴らし追悼

 児童8人が犠牲になった兵庫県芦屋市立精道小学校では、鐘が8回鳴り、児童や遺族らが参加して追悼式が始まった。

 同校に通う児童の保護者で、震災当時、救助活動にあたった市消防署副署長の河津卓郎さん(48)が追悼の言葉を述べた。遺影を前に、河津さんは「生きたくても生きられなかった方のことを思うと、胸が張り裂けそうな思いでこの場に立っています」と話した。

7:00

長田神社でオカリナコンサート「亡くなられた方々へ届くように」

 震災直後に約200人が避難生活を送った長田神社(神戸市長田区)では、オカリナコンサートが開かれた。兵庫県明石市の実家が全壊した馬場正幸さん(74)=京都府南山城村=が「しあわせ運べるように」「見上げてごらん夜の星を」など7曲を演奏し、地元住民らが耳を傾けた。馬場さんは「初めて演奏させて頂いて感激です。オカリナの響きが、亡くなられた方々へ届くように願って吹きました」と話していた。

6:50

震災を知らない世代、初めて東遊園地へ 「この寒さの中で震災が」

 神戸市に住む大学生の新木りさこさん(20)と友人2人は初めて東遊園地の追悼行事を訪れ、午前5時46分に手を合わせた。

 3人とも震災を知らない世代だが、いずれも両親が震災を経験しており、当時の話を聴いたり、テレビで追悼行事を見たりしたことはあった。実際に参加して、新木さんは「この寒さの中で震災が起きたんだ」と想像したという。

6:30

両親亡くした女性、孫と一緒に銘板へ献花

 震災で両親を亡くした兵庫県尼崎市の今井とも子さん(67)は、孫の杉田涙(るい)さん(22)と東遊園地の追悼行事に訪れた。灯籠(とうろう)に火をつけたあと、銘板に献花した。

 毎年追悼に来ていたが、孫と一緒は初めて。「孫の方から行きたいと言ってくれて、うれしかった」。杉田さんは曽祖父母に思いをはせ、「また大きな地震が起きたとしても誰にも死んでほしくない」と話した。

5:47

ビーナスブリッジで鎮魂のトランペット

 震災の発生時刻から1分後、神戸市街を一望できる諏訪山公園ビーナスブリッジ(神戸市中央区)では、トランペット奏者の松平晃さん(80)が、神戸の街並みに向けて鎮魂の曲を奏でた。

 松平さんは震災前日に市内で公演後、自宅のある川崎市に戻り、難を逃れた。「生き延びた以上はがんばる、という思いでやってきた。来年からも、納得できる音が出る限り(神戸での)演奏を続けたい」

5:46

発生時刻に祈り捧げる

 神戸市中央区の東遊園地で「1・17のつどい」が開かれた。訪れた人たちは「1995 むすぶ 1・17」の形に並べた灯籠(とうろう)に一つずつ火をともし、地震発生時刻の午前5時46分に1分間黙禱(もくとう)した。

 震災で長女の上野志乃さん(当時20歳)を亡くした父・政志さん(75)=兵庫県佐用町=が追悼の言葉を語った。「今も、志乃の足に触れた時の氷より冷たいという感触を鮮明なまでに覚えている。多くの災害から学ぶ教訓を生きている人間で生かす必要がある」

5:46

神戸市長田区でも追悼行事「住民同士助け合える地域に」

 震災直後の火災で周辺が甚大な被害を受けた大国公園(神戸市長田区)には住民ら約100人が集まり、黙禱(もくとう)を捧げたり、ろうそくに火をともしたりした。住民の救助活動や遺体の搬送に奔走した近くの荒川博之さん(80)は「街に震災を知らない人が増えたが、災害はいつ起こるか分からない。再び起こったときに、住民同士で助け合えるような地域にしたいです」と話した。

5:46

西宮震災記念碑公園「28年たとうが癒やされることはない」

 兵庫県西宮市の西宮震災記念碑公園では、市内に住む土屋純男さん(79)が「追悼之碑」に刻まれた名前を確かめるように見つめた後、静かに手を合わせた。被災直後から約1週間、ボランティアとして小学校に設けられた遺体安置所で遺体に付き添った。今も震災の日が近づくと、その光景がフラッシュバックするという。「肉親を亡くした家族の悲しみは計り知れないほど深い。28年たとうが癒やされることはないでしょうね」

5:40

追悼行事に訪れた小5「未来に希望をつないでいきたいんだな」

 神戸市中央区に住む小学5年生の山口大喜(ひろき)さん(11)は、母の彩子さん(43)と初めて東遊園地の追悼行事を訪れた。

 昨年11月に学校であった語り部の講話で聞いた「みんな希望を持って生きてきました」という言葉が心に残っているという。大喜さんは「静かな場にたくさんの人が集まって追悼をしていた。みんな未来に希望をつないでいきたいんだなと思いました」。

5:30

北淡震災記念公園で追悼の精霊流し

 震災で地表にあらわれた野島断層を保存する兵庫県淡路市小倉の北淡震災記念公園で追悼事業があった。地元の被災者らが精霊流しをし、黙禱(もくとう)した。

■■■1月16日■■■

17:46

武庫川に「生」の文字浮かび黙禱

 6434人が亡くなった阪神・淡路大震災の発生から、17日で28年になる。17日は各地で早朝から追悼行事が開かれる。一部の会場では16日夕、先立って光がともされた。

 兵庫県宝塚市の武庫川の中州では、街と人の心の再生を願って作られた「生」の字の石積みのオブジェがライトアップされた。市内在住の現代美術家、大野良平さんが2005年に制作し、増水で流失するたびに市民らと作り直してきた。現在のものは12代目。地震発生時刻の12時間前にあたる16日午後5時46分、市民らが黙禱(もくとう)を捧げた。

 神戸市中央区の東遊園地でも、「むすぶ」という文字に並べた約4千本の灯籠(とうろう)を前に、集まった市民らが黙禱した。昨年は新型コロナなどの影響で灯籠の数を減らしていたが、今年は規模を戻した。

 神戸市の市民団体によると、兵庫県内で17日前後に民間団体が予定する追悼行事は42件あるという。

■■■1995年1月17日■■■

05:46

震度7の激震 死者6434人、住宅約25万棟が全半壊

 阪神・淡路大震災は17日で発生から28年となる。

 阪神・淡路大震災は、1995年1月17日午前5時46分に発生。戦後初の大都市直下型地震だった。震源は兵庫県の淡路島北部で、マグニチュードは7・3。神戸市をはじめ県内の4市と淡路島で、史上初めて震度7を記録した。

 人的被害は死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人。全半壊した住宅は約25万棟にのぼる。その後も国内で甚大な被害をもたらす災害が続発し、「大災害時代」の始まりとも言われた。

 防災・復興対策が見直され、さまざまな仕組みがつくられていく契機となった災害でもあった。

 発生から1年間で延べ約138万人のボランティアが活動。95年は「ボランティア元年」と言われた。ボランティア活動を後押しする特定非営利活動促進法(NPO法)のほか、耐震改修促進法ができ、国や自治体は住宅の耐震化を進めてきた。住宅再建に支援金を給付する被災者生活再建支援法もこの震災がきっかけで制定された。

 17日は地震発生時刻の午前5時46分に、神戸市中央区の公園「東遊園地」をはじめ、各地で黙禱(もくとう)が行われる。

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1.17 再現/阪神・淡路大震災

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