発達障害の子が6千人来た美容院の工夫 髪を切られるのが苦手でも
原田達矢
不安だったり、じっとしていられなかったりで、発達障害の子どもの多くは散髪が苦手だ。理髪店などへ連れて行くことをためらい、悩む保護者もいる。そんな子たちが気持ちよくヘアカットできるよう、工夫して取り組む美容師が京都にいる。
京都市伏見区の赤松隆滋さん(48)は、同区の美容院「ピースオブヘアー」のオーナー。発達障害のある子どもが毎日だいたい2、3人訪れるという。
きっかけは2010年、発達障害の男の子の母親から受けた、こんな相談だ。
「子どもが散髪時に不安がるので、いつも自宅で私が切っている。お店でプロの人に切ってもらえるように練習したい」
引き受けはしたものの、当時の赤松さんには発達障害についての知識はなし。いざ切り始めると、途中までは順調だったが、仕上げにバリカンを使い始めた途端、男の子が席を立って走り始めた。音が原因でパニックになったのだ。
収拾がつかなくなり、「プロの仕事ができなかった」と赤松さんは落ち込んだ。
だが、「自分にできることは…
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