第1回足跡に導かれ、見つけた黒い影 ハンターはすぐに銃を構えた
佐々木洋輔
ネットで偶然見つけたエゾシカ革の靴は、北海道池田町が用意したふるさと納税の返礼品だった。履いてみると、あまりの柔らかさと履き心地の良さに驚いた。誰が、どうやってつくったのだろう。池田町を訪ねてみた。
その表情は一層、引き締まった。
「ちょっと耳を塞いでいてください」
そう促されて2秒後、銃声が響き渡る。
「キーーーーン」
大きな衝撃音の直後、すかさず耳鳴りが襲う。周りの音が聞こえなくなった。
ハンターの目線は、120~150メートルほど先に移る。丘の上にある林だ。
そこでは、ピョンピョンと黒い物体がはねた。
黒い物体は4、5秒後、倒れて見えなくなった。
獲物を余すことなく…
「命中しました」…