「ONE PIECE」1作で東映の年間興収記録を更新 その背景
編集委員・石飛徳樹
東映の昨年1年間の興行収入が325億円となり、同社の歴代1位を記録した。「ONE PIECE FILM RED」「THE FIRST SLAM DUNK」というアニメ2本のメガヒットが貢献した。映画界がアニメ頼みなのは今に始まったことではないが、東映の躍進はアニメの観客層を根本的に変えたとみる専門家もいる。
「期待はしていたが、まさかこれほどの数字になるとは」と東映の映画営業部長、菅原史さんは驚く。昨年8月公開の「ONE PIECE FILM RED」が興収190億円を超えた。従来の同社の年間興行記録が2009年の179億円だから、これ1作だけで新記録を打ち立てたことになる。
伝説の宝を求めて航海する海賊たちの物語「ONE PIECE」の映画シリーズ第1作は00年に封切られた。近年は興収50億~60億円と東映のドル箱だったが、第15作の「RED」はこの数字をはるかに超えた。
映画ジャーナリストの大高宏雄さんは「時代が東映に追いついた」といいます。これまでの映画化と、今回の新作はどう違うのでしょうか。
ジャンプアップの理由はいく…