第15回経済が良くなるかどうかは分配次第 日本ならではの資本主義を探って

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諏訪和仁
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 何にどれだけ投資して成長の機会を切り開くのか。生み出した富を、株主や従業員、取引先とどのように分かち合うか。その判断を担うのが経営者だ。「会社は株主のため」とは違う形の資本主義へと進むなら、経営者は一層重い責任と向き合うことになる。

 関西の大企業でつくる関西経済連合会の松本正義会長(78)は、今月5日の新年会見で持論を語った。

 「経営者は、経済が(良くなる)善回転していくために、分配を公平に考える必要がある。賃上げは結局、経営者のセンスだ」

 自らは住友電気工業の会長として「賃上げ賛成論者でずっと経営してきた」と言う。株主は資金の出し手、経営のお目付け役として尊重する。ただ、分配が株主に偏り、格差を広げたのではないかいう問題意識を持ち続けてきた。

ミルトン・フリードマンの新自由主義

 話は半世紀前にさかのぼる…

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