かつては一人っ子、いまや「恐婚」 中国で増える結婚を急がない人々
北京=西山明宏
中国が人口減少社会に入った。最大の要因は急速に進む少子化だ。17日発表された出生数は1949年の建国以来最少を更新した。中国共産党はかつて、人口爆発を防ぐために「一人っ子政策」を導入したが、いまは人口減少を止める手立てを見つけられずにいる。
22年北京冬季五輪でメイン会場の一つとなった河北省張家口市。少子化で廃校になった小学校を1月に訪ねると、「幸福互助院」という高齢者施設に変わっていた。
施設に住む男性(80)は廃校の改築について「村には子どもがほとんどいないからね」と理解を示す。平屋建て5棟の部屋に60人ほどが暮らしているという。
少子化が進んだことで廃校が急増。中国メディアによると、76年に全土で100万超あった小学校は2017年には約16万まで減った。農村で廃校になった校舎を高齢者施設に改築する動きが安徽省や四川省、山東省など中国各地で相次いでいる。
「恐婚」に「単身経済」 増える結婚を急がない人
人口減や少子高齢化は農村だけではなく、都市部でも進む。
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