留学生に学ぶ、世界のがんの現状 唐津の中学校でリモート授業
佐賀県唐津市立第五中学校(小林禎輝校長)が、文部科学省のがん教育総合支援事業の指定校となり、がんについて継続的に学んでいる。外国人留学生から各国のがんの現状などをリモートで学ぶ授業もあった。
第五中学校は2022年度の指定校。がんの患者や治療にあたる医師らを迎えた講演会などが開かれ、生徒らはがんについての知識を深めてきた。
留学生によるリモート授業は昨年12月16日、留学生と日本の学生との交流授業を進める一般社団法人「学びにSPARKを」(福岡市)の協力で実現した。同校の2年生4クラスの生徒約120人、教職員のほか、市内の養護教諭らも参加した。
各クラスに設置された大型テレビに、中国、ウズベキスタン、バングラデシュ、ボツワナの4カ国の女子留学生が1人ずつ映し出された。自己紹介をしてから、母国の現状などについて、写真や図表を使って説明した。
中国の留学生は、喫煙や大気汚染が肺がんの要因になっていることや、肥満や近視の人が多いことを報告。ウズベキスタンの留学生は、海がないため魚を食べることが少なく、肉を使った脂っこい食事が多いと説明した。ボツワナでは生活用水に雨水を使うことが多いなど、衛生面の課題も紹介された。
授業を受けた本田千明さん(14)は「外国でいろんな健康問題に悩んでいる人がいることがわかった。食べ物に使うスパイスの種類やご飯の食べ方などの文化が日本と違い、新鮮に感じた」と話した。「学びにSPARKを」の堤梨佳代表理事は「日本の子どもたちが視野を広げるきっかけになり、争いのない世界につながっていけばありがたい」と期待した。(小浦雅和)
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