第2回給料半減でも「娘をインターに」 教育に失意の父、大手辞めて海外へ

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平井恵美
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 東京都に住んでいた男性(42)は昨年6月、大手通信会社を退職した。妻(31)と長女(5)とマレーシアの首都クアラルンプールに移住するためだ。

 目的は子どもの教育だ。日本で公立保育園に通っていた長女は現在、学費が年に200万円弱かかるインターナショナルスクール(以下、インター)に通う。

 「少子高齢化で日本の経済が縮んでいくのは明らか。娘が大学を卒業する頃にはいい仕事や産業は少なくなると思う。娘には海外でも働ける能力を身につけさせたかった」

 夫婦ともに過去に海外に留学したり、住んだりした経験はなかった。

 ただ、子どもが生まれた時、夫婦でどんな風に成長してほしいかを話し合い、「自分で生活できる力」や「自分で考え、決断する力」「英語で自分の意見を言う力」など10項目にまとめていた。

 日本での教育には不安があった。自身の経験でも、無理やり頭に詰め込んで後でほとんど使わない受験知識が多かった。

 社会に出た後、向き合うのは正解のない問題ばかりだ。例えば、新しいサービスを企画する時、問われるのは多くの情報を収集・分析し、自分の考えを整理して周りを説得できる力だ。

 今の教育はどう変わっている…

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