第3回女性医師の卵、先輩に休み尋ねて驚き 海外でつかんだキャリアと時間

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堀内京子
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 「どうもありがとう」

 机の上に置かれた同僚からのドイツ語の引き継ぎメモに、慣れない字で添えられた日本語。皮膚科医の吉田いづみさん(28)は思わず笑顔になった。これでまた、1日がんばれる。

 昨年5月から、ドイツ南部・アウクスブルクの大学病院での勤務を始めた。日本の高校を卒業して東欧ハンガリーの大学医学部に進学したときには、6年間勉強したら日本で働くつもりだった。

 生まれつき、心臓に病気があった。長い時間を病院で過ごし、お医者さんになりたいと思うようになった。会社員の両親は「学費が高い私学は無理でも、国公立の医学部なら行かせられる」と言ってくれたが難関だ。

 高校3年のとき、ハンガリーの大学の医学部をみつけた。生活費も含め、日本の国公立と同程度の費用で通えることが分かった。

 生まれ育った日本を離れ、海外に移住する人の流れが静かに増えています。その決断の背景に何があったのか。それぞれのストーリーを重ねていくと、日本の現在地が見えてきました。

「先生、次のお休みはいつですか」

 「卒業後、日本の国家試験の受験資格が得られる」と聞き、決意した。

 様々な国から集まった同級生たちと英語で授業を受けた。母国に帰るつもりの学生も、そうではない学生も様々。一方、日本人は当時、現地の四つの大学医学部をあわせると1学年に100人ほどいたが、「卒業生の99%が日本に帰る」と言われていた。

 ただ、自分は帰らなかった…

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