「ぱっとしない2人より優秀な1人を」 少子化が進む中国の未来図
聞き手・西山明宏 聞き手・井上亮
世界最多の人口を抱える中国が人口減少社会に入った。背景には何があるのか。そして今後、中国社会や世界に何をもたらすのか。中国問題の専門家2人に聞いた。
厳善平・同志社大学大学院教授(中国経済)
人口減少の一番の要因は出生率の低下であり、なぜここまで下がったのかが重要だ。3年前、中国の住民を対象に出産についてのアンケートを行い、結果を分析した。中国では政策によって都市化を進めており、結果として子育てにかかるコストも上昇し、出産の意欲を下げていた。
また、中国でも女性の進学率が高まったことによって教育水準が高い人ほど出産数が少ない傾向にあった。中国社会の中で一人っ子世代が相当な割合を占めてきたことが出産意識の変化につながり、中国全体の出生率の低下を招いている。
人口減少は大きな転換だが…