記者が考える「綱の条件」とは それを聞いた八角理事長が言ったこと

有料記事

抜井規泰
[PR]

 何人もの横綱と接してきて思い描く、私なりの「綱の条件」を、61代横綱北勝海の八角理事長に語ったことがある。こんな話だ。

 いま目の前に、つるつるの大理石の壁がある。壁は高く、長大で、右を見ても左を見ても、どこまで続いているのか分からない。

 この壁の向こう側にたどり着けた人が、十両以上の「関取」だ。たとえ何百キロ続いていようが、その壁をたどっていき、向こう側にたどり着いた人たちである。

 十両の上。平幕力士のさらに上。小結や関脇の「三役」になる人たちは、そうじゃない。長大な壁を迂回(うかい)するのではなく、手がかりも足がかりもない大理石の壁を登ってしまう。

 迂回(うかい)をしない。登りもしないのが、綱だ。分厚い壁を真っすぐ、ぶち破っていく。横綱になる人たちには、そんなイメージがある――。

八角理事長の一言、それに琴風は

 という長話をじっと聞いていた八角理事長が、こう言った。

 「うん。いま聞いていて、そ…

この記事は有料記事です。残り484文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら