おしゃれするのは誰のため? 浮上してきた「推し」という存在
甲南女子大教授・米澤泉
ファッション誌の特集に衝撃を受けたのは久しぶりだ。「推しのために可愛くなる!」という見出しが躍るのは「sweet」の2023年1月号。アラサー女性に人気のファッション誌だが、ついにお洒落(しゃれ)もここまできたのかと感慨深い。
18年に「CLASSY.」というファッション誌が「私たちは、なぜオシャレをするんだろう」という特集を組んだ。その時もファッション誌の存在意義を揺るがすような見出しに驚いたものだが、「CLASSY.」では「服が好きだから?モテたいから?それとも世間体?」という理由が用意されていた。その斜め上を行くのが、「推しのために可愛くなる」である。
とっくの昔に女性たちはモテ…