男児が海に転落、夫婦が連係プレーで救出 「20年の絆を出せた」
中川壮
【愛媛】雨がそぼ降る松山市の岸壁。幼い息子と釣りをしていた夫婦の目の前で、近くにいた小学生が海に落ちた。夫婦はすぐに、あうんの呼吸で行動を起こした。
松山市の会社員戸井久志さん(41)と妻の公務員千恵さん(41)は昨年11月23日午前11時50分ごろ、長男の小学1年理人(りひと)くん(7)と一緒に、同市三津ふ頭の岸壁で釣りを楽しんでいた。久志さんと理人くんが釣り糸を垂らし、小さいイシダイやアイゴなどが釣れていた。
長さ約300メートルの岸壁は普段の休日なら釣り人でごった返す。だがこの日は雨のせいか、戸井さん親子のほかは、10メートルほど離れた場所に小学4年の男児と祖父の2人組がいるだけだった。
その祖父が、止めていた車を海に向かってゆっくりとバックさせ始めた。すると、夢中で釣りをしていた男児の足に、車が背後から接触。男児は岸壁から約3メートル下の海に落ちた。救命胴衣は着ていなかった。
自分の救命胴衣を海に投げ入れ…
一部始終を見ていた久志さん…