「歴史学は性格が悪くなる」 都合が良い情報に惑わされず考える意義
メディア空間考 原田朱美
「歴史学をやっていると、性格が悪くなるよね」
青山学院大学文学部の小宮京(ひとし)教授(日本現代史)と話していて、ほろりと漏れた言葉が面白かった。
例えば探していた史料が見つかった時、まずは「書かれているのは本当か?」と疑うクセがついているそうだ。
たとえ本人が書き残した1次史料だとしても、事実を書いているとは限らない。小宮教授は、研究で過去の政治家の日記をたくさん読んできた。「日記は誰にも見せないプライベートな文章だから本当のことが書いてある……わけじゃないですよ」
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特に政治家の日記の場合、ど…
- 【視点】
私も日本の政治や外交の記事を書くとき、「歴史に学ぼう」と過去の文書や存命の人物にあたりますが、そこには自分が今を語るために「歴史をつまみぐい」する落とし穴があります。小宮さんのお話、拳々服膺しております。 小宮さんは自民党の歴史にも詳し