東海大菅生、選抜選出の場合、出場に差し支えなし 監督は謹慎4カ月
東海大菅生高(東京)野球部の若林弘泰監督(56)が部員に暴力を振るっていた問題で、日本学生野球協会は20日、緊急の審査室会議を開き、部員への体罰と報告義務違反があったとして、若林監督を昨年12月5日から今年4月4日まで謹慎4カ月とすることを決めた。
報告が遅れたとして、野球部長にも同12月5日から今年1月4日まで謹慎1カ月の処分を科した。
同校は昨秋の東京都大会で優勝しており、3月18日に開幕する第95回記念選抜大会への出場が有力視されている。
この日の処分を受けて、選抜大会の運営委員会(持ち回り、委員長=宝馨・日本高校野球連盟会長)が開かれ、1月27日の選考委員会で東海大菅生が選出された場合、出場は差し支えないことを確認した。
若林監督と部長については選抜大会でベンチ入りすることはできない。新チーム結成後から選抜大会までに審査室で有期の謹慎処分を受けた指導者は監督、責任教師として登録することはできないとの規定があるため。
審査室の会見によると、若林監督は昨年8月の練習試合で、カバーリングを怠ったとして1年生部員の尻を蹴り、厳しく叱責(しっせき)した。
部員は転校の意思を示したといい、11月に監督と部長は校長に体罰について報告した。部員は退学したが、校長の判断で東京都高野連への報告は行わなかったという。
都高野連は12月、この部員の保護者からの通報で問題を把握。その後の調査で、若林監督が昨年8~9月の練習試合でほかの部員2人に対しても、平手打ちを加えていたことが分かった。
若林監督は昨年12月5日から自主謹慎しているという。
東海大菅生は20日の取材に対し、「厳粛に受け止めている。部員や保護者への説明は早急にする予定で、学校側としても詳しい内容については27日に会見を開き説明する」とした。
東海大菅生はこれまで甲子園に春夏計8回出場している。
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- 【視点】
強豪校の監督の暴力が明らかとなり、処分が下ったことは、高校野球ひいてはスポーツ界の暴力撲滅のために、そして、監督のこれからのキャリアのことを考えても、良かったのではないでしょうか。 監督には、再教育を受け、指導現場に戻ってきてほしいと