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「8割治る時代だからこそ」 小児がんのドラッグ・ラグ解消へ要望書

後藤一也
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 欧米で使える小児がんの薬を、日本でも早く承認するための制度を求めて、小児がんに関連する4団体が19日、加藤勝信厚生労働相に要望書を提出した。製薬企業が小児がんの薬を開発したり、日本での臨床試験を実施しやすくしたりする仕組みを作るよう訴えた。

 要望書は、日本小児血液・がん学会、日本小児がん研究グループ、国立成育医療研究センター、日本癌学会が連名で提出した。

 小児の医療では、欧米で使える薬が日本では使えない「ドラッグ・ラグ」が長く課題となっている。

 米国では、2017年に成立したRACE法で、がんの分子標的薬を新しく開発する場合、将来的に小児がんに使えそうであれば小児の治験をするよう製薬企業に義務づけた。その結果、一気に小児がんの薬の開発が進んだ。

 要望書などによると、17~22年の間に米国では30以上の小児がんの薬が承認されたが、日本ではわずか7にとどまるという。

 小児がんは、患者数の少ない希少がんが多いうえ、日本では少子化も進み、製薬企業にとっては開発費用の負担が大きい。

 要望書は、必要な新薬や分子標的薬を速やかに届ける制度の導入▽新規開発に対する企業側の意欲向上に向けた制度設計▽公的研究費での臨床研究体制の充実や国際臨床研究への参加促進を求め、現時点で優先すべき41の開発候補薬のリストを提示した。

 国立成育医療研究センターの松本公一・小児がんセンター長は「一歩ずつドラッグ・ラグの解消を進めていきたい。薬が届かなくて亡くなった子を何人も見てきた。小児がんの子の8割が治る時代になったからこそ、治らない子どももいることを忘れないで欲しい」と訴えた。(後藤一也)

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