第4回相続人なき遺産、647億円が国庫入り 21年度過去最高

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藤田知也
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 遺産の相続人がいないなどの理由で国庫に入る財産額が、2021年度は647億円と過去最高だったことがわかった。身寄りのない「おひとり様」の増加や不動産価格の上昇も背景に、行き場のない財産は10年前の倍近くに増えた。専門家は早めに遺言書をつくるよう勧めている。

 最高裁判所によると、相続人不存在による相続財産の収入は、21年度は前年度比7・8%増の647億459万円だった。01年度は約107億円、11年度は約332億円で、この20年で6倍に増えたことになる。

 相続人も遺言もない遺産は、利害関係者の申し立てにより、家庭裁判所に選任された「相続財産管理人」が整理する。未払いの税金や公共料金などを清算し、相続人が本当にいないかを確認。一緒に暮らしたり身の回りの世話をしたりした「特別縁故者」がいれば家裁の判断などにもとづいて財産を分与し、残りは国庫に入る。

 相続財産管理人の選任申し立ても増えている。司法統計によると、21年は2万7208件で、10年前の1・7倍と過去最高だった。一方で、財産が少ないために選任申し立てがされず、不動産などが放置されるケースもある。

 相続人のいない遺産が増える…

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