ロシア国内で非合法の民間軍事会社「ワグネル」の存在感が増している。ウクライナの激戦地を掌握したと主張するなど、苦戦が続く侵攻に不可欠な存在とみなされ始めたためだ。ただ、創設者のプリゴジン氏はロシア軍幹部を痛烈に批判するなど「反エリート」色が鮮明だ。その影響力の高まりは、政権内に緊張も生み出している。
「この栄光を過小評価してはならない。英雄的な部隊の合法化が必要だ」
ロシアの「体制内野党」である公正ロシアのミロノフ党首は17日、下院での演説で、ワグネルがウクライナ東部ドネツク州の激戦地ソレダルを掌握したと評価し、ワグネルを合法化すべきだと訴えた。
ワグネルの創設者プリゴジン氏は11日、ワグネルの部隊がソレダル全域を掌握したとSNSで宣言した。ウクライナ側はソレダル陥落を認めていないが、欧米もロシア側が大部分を占領した可能性が高いとみている。昨年9月以降、次々と占領地を奪還されたロシアにとって、久々に国民にアピールできる「成果」だ。
プリゴジン氏は今月19日にも同州の交通の要所バフムート郊外の集落を掌握したと主張し、「部隊は1メートルずつ前進している。バフムートも陥落させる」とした。
ワグネルのSNSによると…

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