空海さん幼少期の物語をアニメに 善通寺一高生が生誕1250年PR

多知川節子
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 弘法大師・空海の生誕地とされる香川県善通寺市にある県立善通寺第一高校のデザイン科の3年生が、空海生誕1250年を記念したアニメーションを制作している。真魚(まお)と呼ばれた幼少期の心の成長を描いた物語で、20日に校内発表会があった。

 3年生29人が今年度の課題研究の授業で取り組んでいる。空海生誕1250年にあたる今年、自分たちも地域の魅力を発信しようとテーマに選んだ。この日は約1分のプロモーション版を披露。卒業までに8分程度の本編を完成させ、市ホームページや関連行事で紹介する予定だ。

 アニメは、当時往来していた遣唐使船を真魚が見たのではないかとの想像から、そこから広い世界に目を向け、直面する試練に立ち向かう創作物語。温かみを出すため水彩画を1枚ずつ手描きし、パソコンに取り込むアナログな手法をあえて選んだ。原画は既に3千枚を超えたという。

 制作は脚本、キャラクターデザイン、演出、音楽などの班に分かれて進めてきた。発表会では、当時の服の揺らぎを描くため実際に衣装を手作りしたことや、足音や風の効果音もプロに習って自作したことなどを紹介した。

 総監督を務めた3年の岡井莞志さんは「29人いるからこそできる表現をしたかった。空海が歴史に名を残す人になるまで幼少期にどんな体験をしたか深く考え想像する機会になった」。講評するゲストとして発表会に招かれた、映像制作の人材育成に取り組む吉備国際大アニメーション文化学部の冨田聡准教授は「魚の大群を描くなど難しい挑戦をしており、気概や責任感がすごい。完成させ、胸を張って卒業してほしい」と話した。(多知川節子)

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