トランプ氏の訴訟は「政治目的の乱用」 1億円超の支払い命じられる

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ニューヨーク=中井大助
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 トランプ前米大統領が、「政敵」のクリントン元国務長官らを相手に起こした訴訟をめぐり、フロリダ州の連邦地裁は19日、「政治目的の乱用だ」と判断し、トランプ氏と担当弁護士に対し、100万ドル(約1億3千万円)近くを支払うよう命じた。トランプ氏はこれまでも、他の政治家やメディアを相手に訴訟を乱発してきたが、こうした行動に影響を与える可能性もある。

 問題となった訴訟は、トランプ氏が2022年3月に提起した。「16年の大統領選で、自分の陣営がロシアと共謀したという虚偽情報を広げた」などと主張し、その大統領選を争ったクリントン氏や、ロシアの動きについての捜査を指揮したコミー元連邦捜査局(FBI)長官らを相手に起こした。裁判所は22年9月、トランプ氏の請求を退けていた。

 19日の決定で、裁判所は「訴訟は、最初から提起されるべきではなかった。常識的な弁護士なら提訴しなかった。(提訴は)政治目的であり、訴状には理解できる法的主張が一つもない」と指摘。また、「トランプ氏とその弁護士たちによる裁判の乱用は、法の支配を損なう」と厳しく批判した。

 決定は、トランプ氏が他にも…

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    豊秀一
    (朝日新聞編集委員=憲法、司法)
    2023年1月21日16時33分 投稿
    【視点】

     「法の支配」、そして裁判は何のためにあるのかを改めて考えさせられる記事です。「トランプ氏とその弁護士たちによる裁判の乱用は、法の支配を損なう」。ニューヨーク特派員のこの記事によると、トランプ前米大統領がクリントン元国務長官らを相手に起こし