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　埼玉県川越市連雀町の観光地「大正浪漫夢通り」で20日午後9時15分ごろ、「建物内から火が出ている」と、イタリア料理店「ウッドベイカーズ川越本店」の男性従業員から119番通報があった。県警によると、市指定有形文化財の建物をつかったこの店舗を含む2棟が全焼したほか、2棟が一部燃え、約8時間後に消し止められた。

　出火当時、店内では3人の従業員が閉店作業中だったという。客はおらず、逃げ遅れやけが人もいなかった。木造2階建てのこの店が火元とみられ、強風のため周囲に燃え広がった。

　市教育委員会の文化財保護課によると、店が入っている建物は「加藤家住宅」と呼ばれ、明治30（1897）年代に建てられたと推測される。もともとは金物商の店蔵だ。正面は土蔵づくりで、大谷石をコの字形にめぐらせた外壁がある。1996年4月に市の有形文化財の指定を受けた。（永沼仁、西田有里、仁村秀一、有元愛美子）