スマホ誤通報に注意、ゲレンデで衝撃を検知 追加機能で勝手に発信も
スマートフォンに新たに追加された自動通報機能が原因で、スキー場からの誤った119番通報が相次いでいる。iPhone(アイフォーン)や腕時計型のスマートウォッチに搭載された、衝突時の衝撃を検知して自動通報する機能が転倒時に働いたことが原因とみられる。
消防によると、スキー場からの自動通報は主に、米アップル社の最新版基本ソフトを搭載した「iPhone14」や「アップルウォッチ」などで起きている。これらは端末が激しい衝撃を検出すると、警告音が鳴って画面に通知を表示し、20秒間反応がないと自動通報する仕組みを備える。
設定アプリから「緊急SOS」の画面で検出機能をオフにすることができるが、多くは初期設定のままとみられる。
126件中、119件が誤通報
長野県の北アルプス広域消防本部は、上質な雪でスキーヤーから人気のある白馬村や小谷村、大町市を管轄する。同本部の郷津純治・通信指令室長によると、2022年12月16日から23年1月19日の昼までに、スマホなどから計126件の自動通報があった。うち119件がスキー場のゲレンデ内からで、すべて誤通報だった。出動に至ったのはゲレンデ外の交通事故1件のみだった。
ただ、自動通報したこと自体に気づかないことも多い。消防本部は安否確認のため電話をかけ続けることにしているが、「なかなか電話に出て頂けない人も多くて」と頭を悩ます。
飯山市などを管轄する岳北消防本部でも、昨年12月13日から今年1月17日までに50件の誤った自動通報があった。担当者は「安否確認に時間がかかる」と指摘する。
志賀高原のある山ノ内町などを管轄する岳南広域消防本部で、昨年11月19日から1月19日までにスキー場からあった自動通報は63件。やはり出動は0件だった。折り返しの電話がない場合はスキー場のパトロール隊に確認を求めている。担当者は「自動通報機能を知らない人がほとんどなのでは」と注意を求める。
この機能は、衝突事故で気を失った時などに命を守るためのもの。北アルプス広域消防本部の郷津室長は「自動通報は非常に便利で、必要な機能」という。一方で安否確認には人員を割く必要があり、「スキー場で消防から電話がかかってきた場合は、すぐに折り返して誤通報だと言ってもらえるだけで助かります」と話している。
アンドロイドは緊急通報機能で誤った110番
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