第5回「わたし、定時で帰ります。」でも管理職になれる日は 朱野帰子さん

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聞き手・中井なつみ
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A-stories 「昭和98年」の女性登用 管理職はなぜ増えない?

 「女性登用」が盛んに言われる一方で、「管理職になりたくない」と考える女性も少なくない。このギャップはどこから生まれるのか。「わたし、定時で帰ります。」など、働く女性たちの心を描き続けてきた作家の朱野帰子(あけのかえるこ)さん(43)に聞いた。

 ――「わたし、定時で帰ります」でも、同年代の男性社員が管理職になる一方で、主人公は管理職になることに尻込みします。男女で意識に差が生まれるのは、なぜだと思いますか。

 女性にとってのロールモデルが少ないというのが一番の理由ではないでしょうか。

 男性の場合は、管理職になるまで、ひいては社長になるまでのストーリーが身近にロールモデルとして存在しています。漫画の「島耕作」シリーズなども、さまざまな段階の働き方がリアルに描かれていますよね。

 ですが、女性は圧倒的に「こうなるのか」というイメージを持ちにくい。女性も総合職で働けるようになってから長い歴史があるわけではないので、仕方がない面もありますが。

 ――私自身にも、管理職は大変そうだというイメージがあります。

 会社にはすばらしい男性上司もいれば、「え、この人も管理職になれるの!?」っていう男性上司もいると思うんです。小説の中でも、部下からのサポートありきで管理職をしている「ダメ管理職」のキャラクターを描きました。

 そういう人たちが「この人よりも、僕の方がうまくやれる」と、気持ちのハードルを下げてくれることがあるでしょう。

 ――確かに……。

 それが、女性の場合は、そも…

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