北方四島周辺の日本漁船「安全操業」、ロシア「協議調整できない」

岸田政権

楢崎貴司
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 北方四島周辺水域での今年の日本漁船の安全操業をめぐる日本とロシアの協議について、ロシア側から現時点で調整できないという趣旨の通知があった。松野博一官房長官が23日午前の記者会見で明らかにした。

 安全操業は、1998年に結ばれた日ロ両国の協定に基づく枠組みで、政府間が年に一度の協議で漁獲量や協力金の額などを決める。決定に基づき、日本の漁業者がロシア側に協力金を支払い、北方四島周辺でタコ、ホッケ、スケトウダラなどの漁をしている。

 松野氏によると、ロシア外務省が19日に在ロシア日本大使館に、今年の政府間協議を調整できないと通知したという。ロシアのウクライナ侵攻で日ロ関係が悪化し、昨年6月にはロシア側が政府間協定の履行停止を一方的に発表していた。

 松野氏は「20年以上、枠組み協定のもとで操業を互恵的な形で維持、発展させてきた。ロシア側がこうした対応を取ったことは受け入れられない」と批判した。早期の協議実施と操業ができるようロシア側に働きかける考えを示した。(楢崎貴司)

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