演技後の受け答えは、17歳とは思えない落ち着いた姿だった。
1月中旬にあったフィギュアスケートの全国高校選手権(インターハイ)に、中京大中京(愛知)のメンバーとして出場した中村俊介(木下アカデミー)だ。
ショートプログラム(SP)では三つすべてのジャンプ要素で加点を引き出し、首位に立った。
「ジャンプは完璧に近い状態で全部降りることができた」と手応えを語りつつ、フリーに向けては淡々と「自分のやるべきことをやります」。
ただ、フリーは冒頭の4回転トーループで転倒。トリプルアクセル(3回転半)も空中で体が開いて1回転に。2位とし、総合も2位だった。
「すべてのジャンプを降りるのは、確率的には高くない。まだ体力が必要かなと思います」。悔しさをにじませながらも、課題を冷静に受け止め、先を見据えた。
SPもフリーも、演技後の取材で質問者の目を見ながらハキハキと話すのが中村だ。詰まることもほとんどなく、質問に答え続ける。
昔からこの性格だったわけではないという。
「調子に乗る、じゃないです…
- 【解説】
自らの弱さを自覚し、それを克服しようとしたからこそ今の自分がいる。葛藤を抱えつつもそれから逃げることなく努力し続けた中村俊介選手の胸の内が、よく伝わる記事だと思う。 アスリートとして、また人間としての強さは、例外なくその内側にある種の

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