「キッチンカーは木曜が一番売れる」 うわさの真相、客に聞いたら…
コロナ禍でテイクアウトが増え、キッチンカーの利用が広がっている。そんな事情を取材していたらこんな話を耳にした。
「キッチンカーは木曜が一番売れるらしい」
なぜ木曜なのか。実際に調べてみた。
昨年11月末時点で、東京都内で営業許可を受けたキッチンカーは約5400件。コロナ禍前の2019年3月末から1.5倍に増えた。オフィス街に加え、住宅街にも出店が広がっている。
ある木曜日、激戦区の一つ、オフィス街の東京・虎ノ門を訪ねた。
正午過ぎ、オフィスビルの入り口に止まったアメリカンフードのキッチンカーに会社員らが集まってきた。人気商品は、マヨネーズがかかった鶏肉がご飯にてんこもりに載った「チキンオーバーライス」。香ばしい香りが漂う中、すぐに10人以上の列ができた。
「なぜキッチンカーでランチを?」
商品が提供されるのを待つ人たちに聞いた。
「たまたま出社していて」
「ここの味が好きだから」
「社内で買える弁当がいまいちだったので」
「コンビニよりも出来たて感があって良い」
「理由? うーん……」
十数人に聞いたが、曜日と関連づけて答えた人は、近くで働く会社員の女性(58)だけだった。
「週末に弁当のおかずを作り置きするのですが、水曜ぐらいにちょうど切れてしまうんです。弁当に飽きちゃったり、オフィスの外に出たかったりもして、木曜はキッチンカーでランチを買っていますね」
ただ、こうした人は少数派で、曜日を意識して買いに来る人は少ないようだ。
350万食を分析、最も多かった曜日は
データではどうか。
キッチンカーの出店や空きスペースへの誘致を支援する事業を手がけるメロウ(東京)が持つ350万食の販売データを分析した。
サービスに登録する約1700店(昨年7月末時点)が22年までの約7年間に販売した計1千万食から、3分の1をランダムに抽出し提供してもらった。
その結果、1日あたりの販売数の最多は木曜だった。木曜を100とすると平日では、金曜が98・6と続き、水曜が95・0、火曜が92・3、最少は月曜の86・1だった。木曜が最も多いのは、20年1月を境にしたコロナ禍前後でも変わらなかった。
平日の販売場所は「オフィス」が8割を超え、残りは「マンション」「学校」「公園・広場」。その傾向は曜日ごとに差はなかった。木曜だけ売れる場所がある、というわけではなさそうだ。
なぜ木曜が一番売れるのか…

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