最年少議員が考案した「網走ちゃんぽん」 ご当地グルメに込めた思い

日浦統
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 1月11日、オホーツク海を臨む北の街のセブンーイレブンにある商品が並んだ。その名も「網走ちゃんぽん」。北海道・東部での期間限定販売だが、さっそく、地元住民の人気を集めている。ここ10年間で地元にじわじわと定着した、この「ご当地グルメ」。考案者は意外にも、網走市議会の最年少議員だった。

 近藤憲治さん(43)。全国の地方議員が、オンラインで政策課題を学ぶ「財政研究会地方議員連盟」の発起人のひとりでもある。昨年4月に設立されたこの連盟、全国の会員は1年半で約280人まで増えた。

 「自分のミッションは素材をつなぐこと」。

 こう語る近藤さんは愛知県出身。地元の名古屋鉄道に就職後、縁もゆかりもない北海道新聞に転職した。

 網走市で「世界一長いちくわ」を焼くイベントを取材した時のこと。同様の取り組みが長崎県雲仙市でも行われており、網走青年会議所が「対決」を呼びかけ、全国的な話題となった。対決を機に両市の人とモノの交流が盛んになった。ここに可能性を見いだした近藤さんは、新聞社を辞めて市議選に立候補し、当選した。

 議員になって生み出したのが、「網走ちゃんぽん」だ。仲間と雲仙市を訪れるうちに、雲仙の郷土料理・小浜ちゃんぽんを網走産の食材で作ったらおいしいのでは、と思いついた。

 シジミやホタテのだし、かまぼこの具材、小麦でつくった麺。ラーメン文化の道内だが、あえてのちゃんぽん。飲食店の定番メニューになり、学校給食や病院食に採用され、セブンイレブンでの商品化につながった。

 網走市は2000年代から人口が減少し、今は約3万4千人。ピーク時より約1万人減った。縮む地方自治を立て直す解決策はあるのか。近藤さんは「素材を組みあわせて化学反応を起こす網走ちゃんぽん式の戦略が自治体が生き残るカギ」と語る。

 「まずは住民がお任せ民主主義から脱却し、まちづくりのプレーヤーになる。そして、地域や外にある素材をうまくかけあわせて、新しい価値や仕事を生む。それを自分たちの頭で考えながらやれる人が多い街が生き残っていく」

 コンビニに並ぶ網走ちゃんぽんには、その信念が存分に詰まっている。(日浦統)

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