タイル目線で歩く街 色あせぬ情熱と美しさ探して、私は作家になった
大蔦幸
大阪府箕面市のタイルアート作家・鷹野律子さん(53)は、少し、変わった街歩きをする。
タイル、目線。出かけた先々で、建物の壁面などに組み込まれたタイルを見つけて歩く。
「あ、こんなところにも」。出会った瞬間、心が躍る。「1日1タイル」を目標に、ツイッターなどで魅力を発信し続ける。
「なんて、美しいんだろう」
会社員時代から、古い建築物の細かい装飾を見て歩くのが好きだった。年に1回は、ヨーロッパ各地を訪れて建物を巡った。
タイルに出会ったのは、2007年。大阪市中央区の綿業会館の見学に行った時のこと。
そこで、部屋の壁面を覆い尽くすタイルタペストリーに出会った。一枚一枚色合いが違うタイルに圧倒された。「なんて、美しいんだろう」
そこから、徐々に日本の建築…