元勤務先に不正アクセス、データ削除した疑い 退職していた男逮捕
退職後に元勤務先のサーバーに侵入してデータを破壊したとして、警視庁は、埼玉県上尾市の会社員の男(33)を不正アクセス禁止法違反と電子計算機損壊等業務妨害の疑いで逮捕し、24日発表した。男は調べに対し、「自分はやっていない」と容疑を否認しているという。
サイバー犯罪対策課によると、男は昨年6月4日、以前勤務していた「共立電気計器」(東京都目黒区)の元同僚や元上司のIDやパスワードを勝手に使い、社内ネットワークや同社が契約しているクラウドに不正にログイン。サーバーに保管されていたデータを削除し、同社の業務を妨害した疑いがある。
同課は、こうした妨害行為が昨年3~6月に複数回あり、同社の人事や技術、顧客に関する情報が消されたとみている。データはいずれもバックアップが残っていたが、復旧に計約660万円がかかったという。情報の外部流出は確認されていない。
男は2021年12月に同社を辞めるまでシステム管理を担当し、社内ネットへのログインに必要な各社員のID情報などを閲覧できる立場だった。被害を受けた社内ネットには、男の私物パソコンからアクセスした履歴があったという。
男は人間関係を理由に退職しているといい、同課は、男が同僚らに嫌がらせをする目的で、退職時にID情報を持ち出したとみている。(大山稜)
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