第5回ぷつんと切れた糸、夫を残しマレーシアへ 頑張る親の背中見せたくて
平井恵美
津村ようこさん(34)は昨夏、6歳と9歳の息子を連れて首都圏からマレーシアのクアラルンプール近郊に移住した。
海外生活は学生時代からのあこがれだった。日本で働く夫は、2カ月に1度のペースで会いに来る。
日中は自宅で仕事をし、放課後は車を運転して子どもたちと公園やスーパーに出かける。夜は親子で一緒に勉強するのが日課だ。
現地での生活に欠かせない英語に向き合うのは、大学受験以来。辞書を引きながら、長男と一緒にインターナショナルスクール(以下、インター)の宿題にも取り組む。日本の小学校に通ったことのない次男とは、日本語の学習も欠かさない。
日本で会社員だった頃は、自分の夢を追う暇も、子どもときちんと向き合う時間もなかった。
仕事は住宅設備メーカーの営業担当。取引先からの無理な依頼やクレームは日常茶飯事だった。休日出勤もあった。
1人目の育休から復帰後、午…