「突然死したということに」命絶った息子、耳を疑った学校側の言葉

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石倉徹也
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 2017年、長崎市の私立海星高2年の男子生徒(当時16)が自殺したのは、学校側がいじめ対策を怠ったためだとして、両親が学校側に約3200万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が24日、長崎地裁であった。この日、母親(50)が法廷に立ち、息子の死からまもなく6年を迎える心境を語った。

 母親の意見陳述によると、遺族が学校に不信感を持ったのは、息子の死から1週間後のことだった。

 「マスコミが騒いでいるので、突然死したということにした方がいいかもしれませんね」

 当時の教頭(現校長)が隠蔽(いんぺい)を示唆するような言葉を電話越しに投げかけた。

 さらに翌日、こう告げたという。

 「希望するなら転校というこ…

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    増谷文生
    (朝日新聞論説委員=教育)
    2023年1月25日19時14分 投稿
    【視点】

     学校側のこれまでの発言や姿勢は、あまりにも遺族への配慮を欠いたものだったことは、まちがいありません。息子が自殺した直後に、電話で「突然死」や「転校」を勧める感覚は、とうてい理解できません。しかも、その発言をした教頭が、今は校長として学校を