「3年かかってやっと」昨年の百貨店売上高、コロナ前の9割まで回復
益田暢子
全国の百貨店の2022年の売上高は、前年より13・1%増の4兆9812億円で、コロナ禍前の19年の約9割まで回復した。3月から行動制限がなくなり、10月の水際対策の緩和で訪日外国人客が増えたことが、売り上げを押し上げた。
日本百貨店協会が24日、加盟71社についてまとめ、発表した。まん延防止等重点措置が解除された3月以降、外出機会が増え、月の売上高は10カ月連続で前年を上回った。政府が10月に始めた「全国旅行支援」による人出の増加も、売り上げにプラスになった。
訪日客による免税売上高は10月から右肩上がりで増え、12月は約214億円とコロナ禍前の7割にまで回復した。年間の免税売上高は約1142億円で、前年の約2・5倍となった。
安田洋子・専務理事は「中国人観光客の数が本格的に回復していない中で、(コロナ禍前の)9割にまで戻った。3年かかってやっと、という思い」と話した。
ただ、地方では年間売上高が前年を下回る百貨店もあり、都市部に比べて回復が遅れている。同協会は、訪日客の増加の恩恵が地方に波及していないことなどが背景にあるとみている。(益田暢子)
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