南米最大の経済大国ブラジルと2位のアルゼンチンは23日、両国の「共通通貨」の創設に向け協議を始めることで合意した。米ドルを使わずに決済できる貿易体制をつくり、両国が加盟する「南米南部共同市場(メルコスール)」などの共通通貨とすることをめざす。基軸通貨ドルに翻弄(ほんろう)され続ける現状の解消を狙うが、実現は容易ではない。
「共通通貨をつくるというのはいかがだろうか。今度こそ実現できるし、実現させなければならない」
この日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれた両国の首脳会談で、ブラジルのルラ大統領は、アルゼンチンのフェルナンデス大統領にこう語りかけた。これまでも両国間で取りざたされてきたアイデアを、気脈を通じる両首脳間で実現させようという発言だった。
会談後の記者会見でも、ルラ…
- 【視点】
ブラジルとアルゼンチンが共通通貨創設に向けて協議を始めることなりましたが、前途は多難なようです。アルゼンチンが米ドルに頼らない貿易決済を求める背景には、アルゼンチンの深刻な経済の混迷が背景にあります。朝日新聞GLOBEでは、昨年12月の特集