サザンの名曲は劇から生まれた 沖縄民謡歌手が詞に見いだした希望

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佐藤英法
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 その曲が誕生したのは、28年前に上演されたある劇がきっかけだという。

 沖縄県琉球王国だった1600年代。幼くして遊郭に売られ、夭折(ようせつ)した女性歌人「吉屋(よしや)チルー」をモチーフにした現代劇。沖縄出身のタレント、きゃんひとみさん(62)と沖縄の民謡歌手、古謝(こじゃ)美佐子さん(68)が出演した。

 古謝さんは伝来の琉歌をうたった。琉歌とは沖縄言葉による、主に8・8・8・6音の定型詩だ。「桑田さんから楽屋に大きなユリの花束を贈られ、びっくりしました」

 「桑田さん」とはサザンオールスターズ桑田佳祐さんのことだ。この劇に触発されてサザンが1996年のライブで披露したのが「平和の琉歌」だ。

 沖縄では前年に米兵による少女暴行事件も起きていた。島ぐるみで抗議の声が上がり、米軍基地が集中する沖縄に注目が集まっていた。

小学生で舞台に立ち、9歳でレコードデビュー

 古謝さんは沖縄を拠点にする…

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