スウェーデン、NATO入りに逆風 デモでコーラン焼却にトルコ激怒
イスタンブール=高野裕介 ロンドン=金成隆一
北欧のスウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請をめぐり、加盟国のトルコが態度を硬化させている。特にスウェーデンについては、首都ストックホルムでイスラム教の聖典コーランが燃やされたことに激しく反発。加盟問題の結論にさらなる時間を要する恐れも出てきた。
「トルコ大使館の前でこのような恥辱を許した者はNATO加盟において、もはや我々の支持を期待できないのは明らかだ」。トルコのエルドアン大統領は23日、怒りをあらわにした。敬虔(けいけん)なイスラム教徒として知られるエルドアン氏は、「8500万人のトルコ国民の精神的な個性に対する攻撃だ」とも非難した。
ストックホルムでは21日、極右政治家がデモの際にコーランを燃やし、トルコ側は「完全なヘイトクライムだ」と強く反発。スウェーデンのヨンソン国防相が27日にトルコを訪問する予定になっていたが、トルコのアカル国防相は「訪問は意義を失った」として中止を発表した。
スウェーデンとフィンランドは、昨年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻を機に長年の軍事的中立の立場を転換し、NATOへの加盟を申請した。
ただ、トルコは自国で分離独…